大河ドラマ『豊臣兄弟!』第45話では、秀吉(池松壮亮)と秀長(仲野太賀)の溝がさらに深まります。
秀長が兄から距離を置くなか、豊臣政権では思わぬ事件が発生。秀吉の強硬な振る舞いに、家臣たちも翻弄されていきます。
この記事では、『豊臣兄弟!』第45話のあらすじを紹介します。
(ネタバレにご注意ください)
豊臣兄弟!第45話のネタバレとあらすじ

天正16年(1588年)の暮れ。秀長は大和郡山城の一室で、吉川平助の位牌に手を合わせていました。
かつて兄とともに天下を目指した秀長。しかし、今は秀吉への怒りを抑えられずにいます。
決裂
亡き吉川平助の位牌に手を合わせる秀長のもとへ、慶がやってきました。
慶は、秀吉に年頭の挨拶をするつもりがないのかと尋ねます。
「わしはもはや兄者を許すことなどできぬ」
秀長の決意は固く、兄に会うつもりはありませんでした。
年が明け、聚楽第で恒例の年頭の儀式が行われます。しかし、そこに秀長の姿はありませんでした。
弟が現れないことに気づいた秀吉は、不在の理由を尋ねます。
家臣から事情を聞いた秀吉は、取り合う必要はないと言い放ちました。
秀長の後悔
秀長が不在のなか、家臣たちは次々と秀吉に年頭の挨拶をします。
石田三成に先を越された加藤清正は、順番への不満を口にしました。しかし秀次は、自分の差配に異を唱えるのは殿下への異議と同じだと清正を退けます。
一方、黒田官兵衛は秀吉の居室を訪ねました。
官兵衛は、秀長を遠ざけた判断は間違いだったと率直に進言。
秀吉は今後、秀長の名を口にすれば処罰すると怒りをあらわにしました。
茶々の懐妊
そんな折、茶々が懐妊。
秀吉は大喜びし、祝いの知らせを聞くために訪れた人々にも目を向けませんでした。
ところが、ある夜、酒に酔った秀次が前野長康と聚楽第の壁沿いを歩いていると、不穏な落書きを見つけます。
それは、茶々のお腹にいる子の父親が秀吉ではないと揶揄する内容でした。
秀吉は激怒し、落書きに関わった者すべての首をはねるよう命じます。
北条氏政からの誘い
その頃、秀長は千利休に呼ばれて堺を訪れていました。
利休の茶室で秀長を待っていたのは、北条氏政。
氏政は、秀吉の政を支えてきた秀長の手腕を褒めたたえ、力強く語りかけます。
「殿下もこれはどの弟御をご見限ろうとは、愚かなことよ。いっそ見限られる前に、見限ってはいかがか。貴殿が立つとなれば、北条は喜んでお力をお貸しいたす」
氏政は、秀吉から離れて自ら立つよう秀長を誘ったのです。
利休が突きつけた秀長の本心
氏政が去ったあとも、秀長は利休と二人きりで話を続けました。
利休は秀長の意見に理解を示し、秀吉を糾弾する言葉を重ねます。
しかし、秀長は次第に耐えきれなくなりました。
「もうやめよ!」
利休は平然として言葉を続けます。
「身内のこと、自らはさんざん悪く言うくせに、それをほかの者から言われると、腹が立つんはなんでやろなあ」
兄への不満を募らせながらも、他人から秀吉を悪く言われることには耐えられない秀長。
兄を憎みきれない自分の本心を、利休に見抜かれてしまったのです。
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豊臣兄弟!第45話「天下人の暴走」の見どころ解説
第45話では、秀吉による落書き事件への厳しい処罰が描かれます。実際の歴史でも、天正17年(1589年)に聚楽第で落書き事件が起きました。
ここからは、秀吉の後継者問題や北条氏との対立を含め、当時の史実を紹介します。
聚楽第の落書き事件とは?
聚楽第は、豊臣秀吉が京都に築いた豪華な邸宅です。天正16年(1588年)には後陽成天皇が訪れ、秀吉の権勢を示す場所となりました。
その翌年、聚楽第の門付近で秀吉の政治を批判する落書きが発見されます。
この事件に秀吉は激怒しました。
当夜の警備にあたっていた17人が処刑され、さらに関係者60人以上が六条河原で処刑されたと伝わっています。
落書きの正確な文言は明らかではありません。ただ、茶々の妊娠や秀吉の子どもの父親をめぐる噂に関係していた可能性が指摘されています。
茶々の懐妊と秀吉の後継者問題
天正17年(1589年)、秀吉の側室だった茶々は男子を出産しました。
生まれた子は「棄(すて)」と名付けられ、のちに鶴松と呼ばれます。
秀吉は茶々の出産に備え、京都の淀城を改修させていました。茶々が「淀殿」と呼ばれるようになったのも、この城に由来します。
鶴松は生後数か月で大坂城に迎えられ、秀吉の後継者として期待される存在となりました。
一方、秀吉には姉の子である豊臣秀次もいました。
後継者をめぐる状況は、鶴松の誕生によって大きく変わっていきます。
秀吉と北条氏政の対立
北条氏政は、小田原を本拠とする戦国大名・北条氏の四代目当主です。
豊臣秀吉が全国統一を進めるなか、関東に大きな勢力を持つ北条氏との関係は重要な問題でした。
両者の対立は深まり、天正18年(1590年)、秀吉は大軍を率いて小田原を攻めます。
北条氏は城下町まで取り込む巨大な堀や土塁を築き、豊臣軍を迎え撃ちました。
小田原征伐は、秀吉の天下統一を決定づける戦いとなります。
豊臣兄弟!第45話では北条氏政が秀長に接近しますが、二人の密談については物語の展開として捉えるのがよいでしょう。
秀長と千利休の関係
豊臣秀長と千利休は、ともに秀吉を支える重要な側近でした。
秀長は大名たちとの交渉や政務を担当。一方、利休は茶の湯だけでなく、政治的な調整にも関わっていました。
二人の役割を表す言葉として、次の一節が知られています。
「内々の儀は宗易、公儀の事は宰相存じ候」
(出典:大友家文書に伝わる秀長の言葉)
宗易は千利休、宰相は豊臣秀長を指します。
つまり、内々のことは利休、公のことは秀長という役割分担です。
秀長と利休は、それぞれの立場から豊臣政権を支えていました。
豊臣兄弟!第45話では、利休が秀長の複雑な胸中を言い当てます。二人の関係に注目したい場面ですね。
大河ドラマ「豊臣兄弟!」第45話の登場人物
第45話に登場する主な人物を紹介します。
| 人物 | キャスト | 第45話での役どころ |
|---|---|---|
| 豊臣秀長 | 仲野太賀 | 秀吉との関係が悪化し、兄から距離を置く。 |
| 豊臣秀吉 | 池松壮亮 | 落書き事件に激怒し、厳しい処罰を命じる。 |
| 慶 | 吉岡里帆 | 秀長に秀吉への年頭の挨拶を促す。 |
| 茶々 | 井上和 | 秀吉の子を懐妊する。 |
| 豊臣秀次 | 山田涼介 | 年頭の儀で清正を退け、のちに聚楽第の落書きを発見する。 |
| 加藤清正 | 伊藤絃 | 年頭の挨拶の順番に不満を抱く。 |
| 黒田官兵衛 | 倉悠貴 | 秀長を遠ざけた秀吉に苦言を呈する。 |
| 前野長康 | 渋谷謙人 | 秀次とともに聚楽第の壁沿いを歩く。 |
| 北条氏政 | 谷原章介 | 秀長を誘い、秀吉から離れるよう持ちかける。 |
| 千利休 | 吉岡秀隆 | 秀長を茶室に招き、兄への複雑な思いを指摘する。 |
『豊臣兄弟!』第45話は、秀吉の振る舞いが大きく変わり、秀長との関係にも深い亀裂が生じる回でした。
落書き事件への容赦ない処罰、そして北条氏政からの誘い。天下人となった秀吉を、秀長はこのまま支え続けられるのでしょうか。
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参考:
城びと「秀吉の城6(聚楽第の造営)」
文化遺産オンライン「聚楽第行幸和歌巻」
大阪21世紀協会「淀殿の名の由来」
おだわらデジタルミュージアム「小田原城跡」
中央公論新社『豊臣秀長』