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朝ドラ ブラッサム トピックス

ブラッサム|ぶくぶく堂の実在モデルは?本郷の書店と現在の姿を調査

朝ドラ『ブラッサム』で、珠が通う本郷の書店「ぶくぶく堂」。

文学好きの店主・本田が営むこの店には、人気作家の秋山格之介や翻訳家の小山牛丸も訪れます。

実は、大正時代の本郷にも、芥川龍之介が利用していた「郁文堂」という書店がありました。

この記事では、

  • ぶくぶく堂の実在モデルと考えられる書店
  • 郁文堂の歴史と現在の姿
  • 店主・本田のモデルとドラマでの役割

についてご紹介します。

ブラッサム「ぶくぶく堂」の実在モデルは?

ぶくぶく堂は実在する?

『ブラッサム』の「ぶくぶく堂」は、東京・本郷にある書店です。

特定の実在店舗がモデルとして公表されているわけではありませんが、史実の参考例として注目したいのが「郁文堂(いくぶんどう)」です。

郁文堂は1899(明治32)年に創業した老舗書店。東京帝国大学の近くで、学生や研究者、文学者たちに利用されていました。

しかも、文豪・芥川龍之介も利用していたという記録が残っています。

ドラマの「ぶくぶく堂」と、実在した「郁文堂」を比較してみましょう。

項目 ぶくぶく堂 郁文堂
店名 ぶくぶく堂 郁文堂
場所 東京・本郷 東京・本郷
店主・創業者 本田 大井久五郎
文学者との関係 秋山格之介らが来店 芥川龍之介が利用
現在 ドラマ上の書店 2025年に移転し事業継続

どちらも本郷にあり、文学者とのつながりがある点が共通しています。

ただし、郁文堂がぶくぶく堂の直接のモデルと決まったわけではありません。

それでも、当時の本郷に実在した書店を知ることで、ドラマの世界をより身近に感じられますね。

ぶくぶく堂に似た本郷の書店「郁文堂」

郁文堂は、明治から大正、昭和へと時代が移るなか、本郷で書籍を扱ってきた老舗です。

その歴史をたどると、学生や文学者たちが本と出会う様子が見えてきます。

 

明治32年創業の書店

郁文堂が創業したのは、1899(明治32)年。

長野県出身の大井久五郎が、東京・本郷の森川町に書店を開いたのが始まりです。

当時の本郷には東京帝国大学があり、周辺には学生向けの下宿や書店などが集まっていました。

郁文堂が特に力を入れていたのが、ドイツ語の洋書や専門書です。

明治時代の日本では、医学や法律、哲学などを学ぶためにドイツ語の文献が重視されていました。しかし、洋書を専門に扱う書店はまだ少なく、郁文堂は学生や研究者にとって貴重な存在だったのです。

1909(明治42)年には、東京帝国大学の敷地拡張に伴い、大学正門前の通りを挟んだ向かい側へ移転します。

やがて古書販売だけでなく、ドイツ語の教材や文学書の出版にも進出。1913(大正2)年には『ヘッベル自伝』を刊行しました。

こうして郁文堂は、書店から出版社へと事業を広げていったのです。

 

芥川龍之介も訪れた郁文堂

郁文堂を利用していた有名人のひとりが、文豪・芥川龍之介です。

芥川は第一高等学校から東京帝国大学へ進学し、学生時代を本郷周辺で過ごしました。

そのころのエピソードを、自身の随筆『その頃の赤門生活』に書き残しています。

「僕はこのアルントを郁文堂に売り金六円にかへたるを記憶す」

(引用:芥川龍之介『その頃の赤門生活』)

芥川は学生時代、ドイツ語の成績がよかったことから、ドイツ大使にアルントの詩集4冊を贈られました。

ところが、その本を郁文堂に売り、6円に換えたというのです。

文豪・芥川龍之介にも、こんな学生時代のエピソードがあったのですね。

この記録からも、郁文堂が芥川龍之介の利用した書店だったことがわかります。

ちなみに『ブラッサム』第21話では、珠がぶくぶく堂の入り口で人気作家・秋山格之介とすれ違います。

秋山格之介は、芥川龍之介をモチーフにした人物です。

作家と学生、本を愛する人々が行き交う書店。ぶくぶく堂にも、大正時代の本郷らしい雰囲気が感じられます。

⇒宇野千代と芥川龍之介は恋愛関係?『ブラッサム』秋山格之介の実在モデル

郁文堂は現在どうなっている?

100年以上の歴史を持つ郁文堂ですが、現在はどうなっているのでしょうか。

結論からいうと、郁文堂は2026年現在も出版・書籍販売事業を続けています。

ただし、長年親しまれていた建物からは移転しました。

 

2025年に本郷3丁目へ移転

郁文堂は2025年4月1日、本郷5丁目の旧社屋から本郷3丁目へ移転しました。

現在の所在地はこちらです。

項目 内容
名称 株式会社郁文堂
住所 東京都文京区本郷3-39-17
建物 KOGAビル3階
移転日 2025年4月1日
事業内容 語学・文学書出版、輸入図書販売
最寄り駅 本郷三丁目駅

郁文堂では現在も、ドイツ語の辞典や教科書、文学関係の書籍などを扱っています。

明治時代に学生や研究者へ専門書を届けていた書店が、今も語学や文学に関わる事業を続けているのです。

現在の所在地は、東京都文京区本郷3丁目のKOGAビル3階。場所を地図で確認してみましょう。

なお、現在の所在地はビルの3階です。一般客が自由に立ち寄れる書店として営業しているかは、訪問前に公式サイトなどで確認するとよいでしょう。

 

旧店舗の建物は解体された

かつての郁文堂の社屋は、本郷5丁目30番21号にありました。

大きな柱が並ぶ重厚な外観で、歴史を感じさせる建物でしたが、もともとは書店ではありません。

1923(大正12)年に建てられた、「日本昼夜銀行本郷支店」だったのです。

銀行の移転などを経て、1969(昭和44)年から郁文堂が使用するようになりました。

つまり、芥川龍之介が学生時代に利用した郁文堂とは、場所も建物も異なります。

長年、本郷の街並みを彩ってきた旧社屋ですが、2025年の移転後に解体されました。

歴史的な建物は姿を消したものの、郁文堂の名前と出版事業は現在へ受け継がれています。

ぶくぶく堂の店主・本田と珠の出会い

『ブラッサム』では、書店そのものだけでなく、店主の本田も印象的な人物です。

本田を演じているのは、川島潤哉さん。

珠を文学の世界へと導く、本田の役割を見ていきましょう。

 

店主・本田の実在モデルは?

本田は、文学をこよなく愛する書店主です。

第20話では、店先の本に興味を示した珠に、立ち読みを勧めます。

本を買うかどうかよりも、まずは作品のおもしろさを知ってほしい。そんな本田の人柄が伝わる場面でした。

本田についても、特定の実在人物がモデルとして紹介されているわけではありません。

郁文堂の創業者・大井久五郎と直接結びつける根拠もありませんが、文学を大切にする書店主という点には、どこか通じる雰囲気があります。

本田の魅力は、単に本を販売するだけではないところ。

作家と読者をつなぎ、文学の魅力を伝える存在として、珠の東京生活を彩っています。

珠が「花手帖」と出会う

第20話で、ぶくぶく堂を訪れた珠が手に取ったのは、雑誌『少女春秋』でした。

その巻頭に掲載されていたのが、土橋風子の小説『花手帖』です。

本田は、土橋風子がまだ20歳そこそこの若い女性作家だと教え、その作品の魅力を熱心に語ります。

少女たちのはかなさだけでなく、心の奥にあるやりきれない感情まで描いている――。

本田の言葉に引き込まれた珠は、思わず雑誌を購入します。

故郷・岩国では思うように小説と向き合えなかった珠。しかし東京で、再び文学への情熱が芽生えていくのです。

さらに第21話では、人気作家・秋山格之介や翻訳家の小山牛丸とも出会います。

珠が憧れていた『イワンの馬鹿』の翻訳家が、突然目の前に現れるという驚きの展開でした。

そして第6週では、本田から土橋風子の短編集『花手帖』を結婚祝いとして贈られる場面も描かれます。

ぶくぶく堂は、珠が文学の世界へ踏み出す大切な場所なのです。

なお、土橋風子の実在モデルとして知られるのが、『花物語』などを執筆した作家・吉屋信子です。

⇒ ブラッサム土橋風子の実在モデルは吉屋信子!宇野千代との関係も解説

⇒ブラッサム『花手帖』のモデルは実在する?吉屋信子『花物語』と伏線を考察

 

宇野千代も本郷で文学者たちと出会った

ところで、史実の宇野千代も本郷で芥川龍之介と知り合っています。

舞台となったのは書店ではなく、西洋料理店「燕楽軒」でした。

宇野千代は1917(大正6)年に上京し、燕楽軒で給仕として働きます。

店には芥川龍之介や菊池寛、東郷青児などが訪れ、宇野千代は文学者たちと知り合う機会を得ました。

実際に働いたのは、わずか18日間。それでも、宇野千代にとって文学の世界とつながる貴重な経験となりました。

ドラマのぶくぶく堂と、史実の燕楽軒。

場所こそ違いますが、文学者との出会いが世界を広げていくという点では、共通するものがありますね。

⇒ ブラッサム悠樂軒の実在モデルは燕楽軒!現在の場所も解説

 

まとめ|ぶくぶく堂のモデルと現在の本郷

以上、『ブラッサム』の「ぶくぶく堂」の実在モデルと、現在の本郷の書店についてご紹介しました。

ぶくぶく堂の直接のモデルは特定されていませんが、同じ本郷には芥川龍之介も利用した「郁文堂」が実在しました。

郁文堂は2025年に移転し、現在も出版・書籍販売事業を続けています。

ドラマでは、珠が文学と再び出会う場所となったぶくぶく堂。

大正時代の本郷に思いをはせながら見ると、珠と文学者たちの交流もさらに楽しめそうですね。

こちらもCHECK

参考:
東京都古書籍商業協同組合文京支部「郁文堂」
芥川龍之介『その頃の赤門生活』
郁文堂公式サイト「店舗移転のお知らせ」

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